Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
岩月 輝希; 天野 由記; 彌榮 英樹
no journal, ,
瑞浪超深地層研究所において、立坑を建設する過程の周辺の地下水の変化について観測した。その結果、立坑の掘削と呼応して周辺地下水の水圧低下とカルシウム・硫酸・炭酸水素イオン濃度の減少及びpHの上昇が確認され、これらの変化は、現時点で立坑の周囲数十mの範囲に広がっていると推察された。
石井 英一
no journal, ,
北海道北部の幌延地域に分布する新第三紀の海成堆積物(稚内層・声問層)における全岩と間隙水の化学組成を検討した結果、本堆積物の地下浅部では岩石中の粘土鉱物(特にスメクタイト)と地下水との陽イオン交換反応によりNaの溶脱が起きていること、Naの溶脱の程度は淡水の浸透率(淡水と塩水の混合比)にほぼ対応しており、Naの溶脱が生じている領域は淡水が浸透している領域とほぼ一致すること,淡水の浸透領域は深部に向かって拡大し続けている(あるいは拡大をやめ現在はほぼ停滞している)こと,淡水の浸透領域は一様に拡大している(あるいは拡大してきた)のではなく、相対的に速く拡大した(あるいは早期に拡大し始めた)部分とそうでない部分が存在することが明らかとなった。
及川 輝樹; 梅田 浩司; 松崎 達二*
no journal, ,
四国西部の四万十帯付加体堆積物に貫入する沖ノ島-柏島地域の花崗岩類について、黒雲母K-Ar年代,ジルコンFT年代,アパタイトFT年代測定を行い、その冷却史を明らかにした結果、これら花崗岩類は約14Maに貫入し14-13Ma間に100C以下まで冷却したことが明らかになった。
丹羽 正和; 島田 耕史; 野原 壯; 三輪 敦志*; 黒澤 英樹*
no journal, ,
岐阜県飛騨市宮川町河合町の跡津川断層西部を対象に詳細な地質調査を行い、断層が連続する部分とステップする部分とで断層破砕帯の分布及び産状を比較した。本研究では、空中写真判読によってステップ構造を確認したうえで、ステップ構造が認められた宮川町三川原周辺と、ステップ構造が認められない河合町角川天生の地域で、それぞれ地質調査を行い、断層破砕帯の記載を行った。三川原周辺では、角川天生と比べると、跡津川断層の主方向(ENE-WSW方向)と大きく斜交するNW-SE走向及びN-S走向の断層が多く発達する。断層破砕帯(松田・岡田,1977の破砕度IIVの範囲)の幅は、角川天生では数10m程度であるのに対し、三川原周辺では100m以上と推定される。本研究の結果からは、ステップ部では主断層の方向と大きく斜交する断層が顕著に発達するため、断層破砕帯の幅が広くなっていることが示唆される。
丹羽 正和; 野原 壯; 水落 幸広*; 棚瀬 充史*; 小林 浩久*
no journal, ,
断層の活動履歴を明らかにするうえで、断層破砕帯中の鉱物分布の実体を把握しておく必要がある。本研究では、破砕帯中の鉱物分布の調査を行うため、岐阜県中津川市川上に分布する阿寺断層露頭において、破砕帯の詳細な記載を行った。調査露頭では、花崗岩(苗木-上松花崗岩)と濃飛流紋岩に属する溶結凝灰岩が接する破砕帯が幅数10mにわたって連続的に分布する。調査の結果、溶結凝灰岩起源の断層岩は、花崗岩起源の断層岩に比べ、断層粘土の割合が圧倒的に多く、原岩組織が消失している幅が広いなど、原岩の違いによって断層粘土及び割れ目の発達の程度が大きく異なることが明らかとなった。したがって、破砕帯中の鉱物分布は、原岩の違いと、断層粘土及び割れ目の発達の程度によって大きく変化する可能性がある。
梅田 浩司; 浅森 浩一; 根木 健之*; 小川 康雄*
no journal, ,
熱水活動やそれに伴う温泉は、一般に、火山下のマグマや高温岩体等を熱源として引き起こされると考えられている。しかしながら、常磐地域や紀伊半島等といった第四紀火山が存在しない地域(非火山地帯)においても、42C以上の高温泉が分布する地域が存在することが知られている。飯豊山地は、東北地方の福島と山形の県境に位置し、ジュラ紀の足尾帯と白亜紀古第三紀の花崗岩類からなる。当該地域は、第四紀火山から50km以上も離れているにもかかわらず、飯豊温泉(55C),泡の湯温泉(41C),湯ノ平温泉(56C)等の高温泉が分布し、温泉放熱量も1000W/mを超える非火山地帯の高温異常域の一つである。本研究では、これらの高温異常域の熱源の推定を行うため、山地を横断する測線において地磁気・地電流観測を実施するとともに、地下40kmまでの二次元比抵抗構造解析を行った。その結果、飯豊山地の地下10km以深には、10m以下の極めて低い比抵抗体が存在し、上部マントルまで連続していることが明らかになった。また、この低比抵抗体の上面の形状は、地殻内地震のcut-off depthと調和的であることから、山体の地下10km以深には、約400C以上の高温の物質が広く(数百km)存在すると考えられる。また、この地域の下部地殻には、地震波の低速度域が存在すること(浅森ほか、2006),温泉ガスのヘリウム同位体比(He/He)飯豊温泉(11.110),泡の湯温泉(9.010; Sano and Wakita, 1985)が東北日本の火山ガスの値に匹敵すること等から、飯豊山地の地下にはマグマあるいはそれに関連する高温の流体が存在することが示唆される。
水野 崇; 岩月 輝希
no journal, ,
深部地下環境における化学環境の長期安定性を推察することを目的として、花崗岩中の割れ目に産する方解石の鉱物学的観察及び流体包有物の解析を行った。観察の結果、結晶形の変化に基づき、方解石の沈殿を古い順からGeneration IIVの4つの時期に区分することができた。解析を行ったすべての流体包有物はこれらの世代のうち、II及びIIIのみに観察され、液相のみの単相を示した。塩濃度の解析の結果は0.474.53wt%NaCl Eq.の範囲を示し、塩濃度が最も高い流体包有物を含む方解石が、海水程度の塩濃度を持つ地下水から沈殿した可能性が考えられる。これらのことから、少なくともGeneration II及びIIIの方解石は低温な環境で沈殿し、その過程で塩濃度が変化したことを示唆する。今後、地下水の起源や地史との関係を明らかにすることで、本研究をより確実にすることができると考えられる。
水野 崇; Metcalfe, R.*; 彌榮 英樹; 岩月 輝希
no journal, ,
これまでの技術開発では調査現場において地下水試料の品質を低下させることなく採取する手法の開発に焦点があてられており、さまざまな条件下で得られた地下水試料の品質を評価する手法は確立されていない。そのため、本稿では、機構が開発した地下水試料の品質評価手法を示し、実際の調査で得られた地下水試料を用いた試行例を提示する。地下水の品質評価にはTESLA(The Evidence Support Logic Application)を用いた。今回はこれまでに採取した地下水のpHについて、試行的に品質評価を行った。TESLAを用いて品質評価を行い、一定以上の品質であることを確認したデータと、品質を評価していないすべてのデータについて、pHの深度に対する傾向を比較した。その結果、品質を評価していないすべてのデータではpHが812の範囲に分布し、深度との相関は認められなかったのに対し、一定の品質以上のデータでは、深度と負の相関を示し、810のより狭い範囲に分布した。この結果から、地下水の品質評価結果を研究に反映させることで、より正確に地下深部における地球化学環境を把握できることが示された。
野原 壯; 中田 高*; 島田 耕史; 丹羽 正和; 木下 博久; 鷺谷 威*
no journal, ,
地下の活断層に起因すると考えられる比較的規模の大きな被害地震の震源の分布は、第四紀火山あるいは既知の活断層が分布する地域に偏在する。このうち、既知の活断層の近くで発生したものは、その震源断層の走向及び変位の方向が、既知の活断層の走向及び断層変位の向きとほぼ一致することから、既知の活断層と同様に広域的な応力場に対応して、地下の断層が活動したものと考えられる。既知の活断層に近接した地下の活断層の分布が想定される地域の地質は、結晶片岩や粘板岩である傾向が見られる。片理面が発達する結晶片岩中では、均質な花崗岩に比べてマイロナイト領域の変形が分散する傾向があり、地下の活断層の形成が地質と関係することを示唆する。活断層の測地学的解析で求まる地殻変動速度は、活断層の平均変位速度とほぼ同じ値をとる。測地学的データによる解析結果は、多数の地下の活断層の存在を示唆するものとはいえない。
島田 耕史; 丹羽 正和; 野原 壯; 田中 秀実*
no journal, ,
活断層から放出される水素ガスの測定から断層の活動性を評価する試みがなされているが、その濃度に大きなばらつきがあり、原因の究明が望まれている。中部地方、跡津川断層の断層露頭(約203m)で、姿勢の異なる未固結断層岩層について、19地点の水素ガス濃度を現地で測定した。その結果、水素ガスを比較的よく放出する層と、放出しない層の姿勢が、ステレオ投影図上で小円で境される分布を示したが、断層岩の粘土鉱物組成の系統的な変化は認められなかった。水素ガスの放出/非放出の応答変化は、未固結断層岩層の構成物質よりも、その姿勢の影響が大きく、研究対象露頭においては一軸圧縮的な応力状態を反映している可能性が指摘される。このことから、今後、水素ガス濃度の測定を広範囲に行っていく際には、異なる姿勢を持つ断層岩層について測定し、ガス通路の生じやすさを検討していくことが重要である。また、水素ガス濃度測定によるガス通路の検討によって現在の(地表の)応力状態が推定できる可能性が示されたことは、断層の活動性評価の観点のみならず、より現実的かつ詳細な断層モデリングにも貢献できると考えられる。
浅森 浩一; 梅田 浩司; 根木 健之*; 小川 康雄*
no journal, ,
MT法探査2次元インバージョン法及び地震波トモグラフィー法を用いて、非火山地域に位置する飯豊山地下における地殻の2次元比抵抗構造及び3次元地震波速度構造の推定を行った。その結果、以下に述べる特徴が明らかになった。(1)飯豊山地下の地殻中部において水平方向に約20kmの拡がりを有する顕著な低比抵抗体が認められる。また、この低比抵抗体は深さ約5kmからマントル最上部までの領域において、深くなるにつれて拡がっているようにイメージされた。さらに、その近傍においてP波速度が3%程度遅い低速度異常体がみられる。(2)地殻内微小地震の多くは高比抵抗領域内に発生している。(3)以上の結果や地表において高温の温泉が湧出すること等から、飯豊山地下に認められる低比抵抗体は、高温流体の存在を示唆している可能性が考えられる。
眞島 英壽
no journal, ,
北西九州佐賀両子山に玄武岩に伴って分布する玄武岩質安山岩は、(1)Mg/(Mg+Fe)=0.8の斜方輝石を含み、(2)Mg-Fe-Ni組成がマントルカンラン石と平衡可能なことを示すことから、マントルと平衡共存可能な高マグネシウム安山岩(HMA)である。以下に挙げる証拠から、佐賀両子山HMAの成因にスラブ由来の流体あるいは珪長質メルトは重要な役割を果たしていないと考えられる。(1)斜長石-全岩のKD=1.25であり、メルト中のHO=1.8wt.%以下であったと考えられる。(2)Nb/La1かつSiOとNb/Laに系統的相関が認められず、起源マントルのメタゾマティズムを示唆しない。(3)北西九州から含水鉱物組合せを持つマントルゼノリスは発見されていない。(4)北西九州に沈み込んだフィリピン海プレートは到達していない。ノルムJd+CaTs-Ol-Qz組成は、佐賀両子山HMAマグマは0.5GPa程度の極低圧領域で比較的無水なマントルから生じたことを示唆する。このような異常低圧部分溶融は北西九州火山活動に先行する唐津佐世保堆積盆の形成と消滅に伴う、堆積盆リソスフェリックマントルの力学的強度の低下、及び白亜紀花崗岩からなる背振山地リソスフェリックマントルとの力学的強度比の増大によると考えられる。
眞島 英壽; 田島 俊彦*
no journal, ,
北西九州長崎には島弧的特徴を持つ未分化高マグネシウム安山岩(HMA)が分布している。HMAマグマは、含水マントルの部分融解や含水珪長質メルト-マントル反応などによって生じると考えられてきた。しかし、北西九州マントルゼノリスは、北西九州マントルが無水鉱物からなることを示しており、従来のモデルで長崎HMAの発生を説明することはできない。長崎HMAのノルムJd+CaTs-Ol-Qz組成は、無水マントルの0.5GPaでの共融線上にプロットされ、極低圧領域での無水マントルの部分溶融によって生じたことを示している。このような異常低圧部分溶融は長崎変成岩類から構成される陸域部と周辺海域堆積盆との間の力学的強度差が大きいため、マントル上昇が両者の境界に集中した結果生じたと考えられる。長崎HMAマグマの発生において、フィリピン海プレートの沈み込みは、水にとむ物質の供給源ではなく、北西九州のストライキスリップテクトニクスの駆動力として働いたと考えられる。
中島 崇裕; 國友 孝洋; 長尾 大道; 熊澤 峰夫
no journal, ,
本研究は、地下構造の精密な探査と、その状態のモニタリングのためにアクロス(ACROSS: Accurately Controlled Routinely Operated Signal System)を開発にかかわる。本報告では、電極軸方向の異なる2組の電極ペアによる送信を行い、受信点での3成分電磁場観測により、伝達関数を、不均質性あるいは異方性の情報を反映するテンソルとして求める観測システムについて述べる。また、それを用いて、送信点から8km以内の観測点で得られたテンソル伝達関数とその時間変動について報告する。
金沢 淳; 浅森 浩一; 梅田 浩司; 島田 耕史
no journal, ,
ヘリウム同位体比は、大気・上部マントル・地殻で大きく異なることから、地殻内の流体に含まれるガスの起源を探るうえで重要なトレーサーとなりうる。日本列島における火山ガスや温泉ガス等に含まれるヘリウム同位体比の測定は、Nagao et al. (1981)やSano and Wakita(1985)等によって進められきた。当時約150点であったデータ数は最近では600点以上と約4倍に増えている。今回これらのデータから、日本列島全域におけるヘリウム同位体比の大局的な特徴や地理的な分布傾向を明らかにするためにヘリウム同位体比のデータベースを作成した。データベースの主な内容は、測定点の温度・位置情報やHe/Neの他、同点の主要ガス成分,蒸気凝縮水あるいは温泉水の水素酸素同位体比(D-18O)データが存在する場合はこれらを加えて編集したものである。
高橋 一晴; 新里 忠史; 安江 健一; 天羽 美紀*; 鈴木 徳行*
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分では、処分場の地質環境が長期間にわたって十分に安定していることが求められる。このため、長期間を対象とした地殻変動を予測する調査手法の整備が必要と考えられる。特に、隆起・侵食については、過去百万年程度の期間を対象として時間・空間的分布を把握し、外挿法等により将来数万年程度の変動を予測することが重要となる。本報告では、昨年度の報告(高橋ほか、2005a)に引き続き、幌延町内でのH1617年度に実施したボーリング調査(HDB-9HDB-11孔)及び地下浅所のボーリング調査(深度15m程度)から得られた分析結果を加え、幌延に分布する新第三紀珪質岩(稚内層・声問層)の鉱物学的及び有機地球化学的特徴に基づく隆起・侵食にかかわる推定手法の適応結果を述べる。
國友 孝洋; 熊澤 峰夫
no journal, ,
弾性波アクロスは、位相と振幅とを精密に制御した複数の周波数の弾性波を常時送受信して、地下の周波数伝達関数を連続的に取得し、地下の構造探査とその状態のモニタリングを行うためのシステムである。われわれは、この探査システムの開発を行い、3年以上に渡る連続送受信実験を実施して探査手法の改良を進め、地球内部の常時モニタリングシステムとしての検証試験を行ってきた。本発表では、連続送受信実験の結果を中心として、これまでの成果を報告する。
安江 健一; 新里 忠史; 千葉 昭彦*
no journal, ,
断層が推定されている付近において、地表下10m程度までの極浅部の地質構造に関する情報を得ることは、断層の詳細な位置,断層の活動履歴,伏在する断層の有無などの把握に役立つ。本研究では、北海道北部、幌延地域に分布する大曲-豊富断層の推定位置付近において実施した地中レーダ探査(GPR探査)について、同位置を対象とした空中写真判読、地形・地質踏査及び地形コンター図の作成結果と併せて報告する。GPR探査の反射パターンの特徴から推定した沖積層や段丘堆積物の層厚は、地質調査の結果と調和的であった。また、傾いた反射パターンや不連続の反射パターンが認められた地点では、地質調査により断層破砕帯や地層境界などが確認できた。さらに、段丘堆積物の下位に分布する泥岩中の地質構造が、段丘堆積物中にまで連続しているように解釈できる地点もあった。本研究で対象とした北海道北部地域は、周氷河作用や人為的な地形改変により、断層変位地形が不明瞭になっていると予想される。そのような場所において、非破壊で短時間に広範囲の調査が実施できるGPR探査は、極浅部の断層に関連する地質構造の分布を把握する調査手法として、非常に有効であると考えられる。
竹内 真司
no journal, ,
独立行政法人日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)では、深部地質環境の調査・評価技術の構築や深地層における工学技術の基盤の整備を目的として、岐阜県瑞浪市においておもに結晶質岩を対象として瑞浪超深地層研究所計画(以下、MIU計画)を実施している。上記目的を達成するため、深度1,000mに及ぶボーリング孔を掘削し、地質・地質構造,岩盤水理,地球化学,岩盤力学などに関する調査を行っている。このうち、岩盤水理に関しては、亀裂性岩盤の地下水流動を支配する水みちの連続性やそれらの水理学的な特性を合理的に把握するための技術開発を実施してきた。本稿では、ボーリング孔内の深度数百メートルにおいて実施した揚水試験に伴う水圧応答を複数のボーリング孔で観測する試験(孔間水理試験)により、地下水流動に影響を与えている可能性のある断層や水みちの連続性、さらには地下水流動場の境界条件などの水理地質構造を推定した結果について報告する。
熊澤 峰夫; 小川 克郎*; 藤井 直之; 山岡 耕春; 國友 孝洋; 中島 崇裕; 鶴我 佳代子; 羽佐田 葉子; 笠原 順三; 茂田 直孝; et al.
no journal, ,
1995年の物理探査学会で、アクロスと称する地下の観測手法を報告してから11年が経過した。この新しい観測法の開発研究は、地下15-30kmにある地震発生場の監視観測によってその時間発展を連続的に把握し、地震予知研究に役立たせる、という動機で、1994年4月に開始したものである。その後、1995年に阪神淡路大震災が発生し、1996年に地震フロンティア研究が立ち上がって、アクロスは急速に進化を遂げることになる。本報告では、2006年3月、10年間に及んだPNC/JNC/JAEAにおける地震フロンティア研究の終結を機に、アクロス研究の変遷進化の総括と次の飛躍に向けた展望と具体的な研究計画構想を提示する。